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2021年3月11日


次男を週一回通わせているスイミングスクールへと送り届けるのが毎週木曜日のルーティンだ。感染症対策のために観覧席が封鎖されているため、することがなくなったついでに立山連峰を撮りに見晴らしのいい場所を探しながら車を走らせた。

何も用事のない日だったならば、迷うことなく呉羽山の展望台に行くところだが、一時間後には進級テストを終えた次男を迎えにまた戻って来なければならないので大した時間の余裕もなく、夕方のこの時間だと帰宅ラッシュにも巻き込まれてしまう。なので、数年前に特急電車を撮りによく来ていた神社の裏まで来てみることにした。

17時前には富山方面と泊方面とが東富山駅近くですれ違う。チャンスは2回、走り去る車両とこちら側へ向かって来る車両―。それらを立山連峰をバックに撮ることができたなら、晴れた日の思い出になるだろう。


SDIM7370

写真を撮り終わってまたスイミングスクールへと戻った。迎えの時間までは早く着いたのでしばらく駐車場の中で待ち、それからロビーへ向かった。ロビーでは備え付けのテレビの周りではほかの生徒たちが津波の映像を眺めていた。合格通知を持って次男がロッカールームから出てきた。テレビには気づかないふりをして合格通知の写真を撮って、家内にそれを LINE で送った。

何年経っても毎年この日に流される映像を観ると、その瞬間まで命があり、その瞬間から命を失くした人々の面影を感じてしまう。なにも知らなければ、何も感じなければただ大きな津波が来て大変だっただろうなで終わるのかもしれない、けれどそこには間違いなく人がいたんだ。ふつうに暮らしていても会うことなんてない、顔も声も知らない人たちだったけれど、そこにはいつもの朝があって、いつもの夕方があるべきだったはずなのに、一瞬で永遠に失われてしまった。その一瞬を延々とくりかえし流し続けるんだ。

帰りの車内では次男から津波についての質問攻めに遭った。津波はどこから来るの、津波が来たらうちは大丈夫、津波が来たら小学校は大丈夫、津波が来たら―。

自分がいつどんな場面で自分の力ではどうしようもないことで命を落とすか分からない。だから、できるだけ美しいものを見た記憶と記録だけは残しておきたいと思う。


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