アイアムアヒーロー/花沢健吾
漫画 『ミュージアム』 全3巻をイッキ読みしたあと、Amazon におススメされるまま、筒井哲也の
『マンホール』 上・下巻(蚊を使ったバイオテロによる復讐劇と刑事物が絶妙に混ざり合った一品)
をこれまたイッキ読みしてしまい、歯止めが利かなくなってついに 『アイアムアヒーロー』 に手を
出してしまった・・・ッ!!
今年の春に大泉洋主演で映画化されたこの作品、題名くらいは知っていたけれど、ゾンビものだと
知ったのは、上記の漫画を読んだあとに Amazon さんにまたおススメされたときだったという(ぉ
んで、すでに21巻まで出ているので、うっかりハマってしまったときの出費が怖いと分かっていたけど、
やっぱりハマっちゃったw てへぺろ(・ω<)
何が良いって、ゾンビものにとって基本的な要素―
ゾンビ化の原因は不明、ショッピングモールに避難、先に形成されたコミュニティに後から参加するも
生存者同士なのに完全に心は開けない、その後コミュニティも崩壊・・・をすべて抑えてあるのはもちろん、
徹底的に描かれた日常の風景(景色だったり、人が暮らす様子だったり)、主人公を含む序盤の
登場人物の生臭さいキャラクター設定にとてもリアリティを感じたからです。
いちばん好きなシーンは、ゾンビ化してしまった恋人(成功した元カレとの間柄を今でも疑いながらも、
懸命に愛そうとする主人公の葛藤もまた良い)をついに行動不能にしたあと、
これまで何度も夜を共にしたであろう布団の上にちゃんと寝かせ、乱れた髪を梳いてから去る
シーンですかね。
しかも、襲ってくるときに抜け落ちた恋人の歯を、遺骨を扱うかのように大切にティッシュにくるんで
ポケットに入れるなんて発想、今まで見たことなかった。
ハリウッド映画なんかだと、いちおうは躊躇うけど、トドメさすときは銃火器であっさりやっちゃうもんね。
それとは全く別次元の、ささやかな平和のあった日常が崩壊していき愛した人も変わり果てた世界の
描き方の独特さがクセになりますね。
乗ってたタクシーの運転手がゾンビ化し、車が炎上して自らも炎に包まれながらも料金を請求して
くるのを生真面目に精算するところとか、凄惨なシーンのはずなのに笑っちゃんだうよね。

また、友人・知人の生活圏が当初の舞台だということも個人的にツボでした。

ただ納得いかなかったのは、車両はどう見ても西武鉄道9000系なのに、編成番号は6000系の
第5編成というところかな。
さておき、ジャンルものでありながらも全く新しい視点から日常の崩壊を描いたこの 『アイアムア
ヒーロー』、なんだかんだと6巻まで我慢できずに読んじゃった。
ストーリー上では命からがら練馬から御殿場まで移動し、アウトレットに逃げ込んで生存者たち
と合流します。このコミュニティが最初から胡散臭いのも面白いし、崩壊するのも見え見えなんで
すが、続きが気になってしょうがないので今から7巻買います(ぉ
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