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初夏(なつ)の日の弔い


嫁んところのおばあちゃんが亡くなりました。

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一昨年末だったか、十二指腸穿孔を患って(この年代の人は我慢強いので、かえって症状が悪化
することが多い)死線を彷徨ったかと思えば奇跡的に回復し、自宅介護と施設を行ったり来たり
しつつも、この日を迎えるまで生きていてくれました。

おれが嫁んちへ嫁いでからの約20年、半分は恍惚の人となって、ほとんどコミュニケーションが取れ
なかったのがちょっと辛かったんですが、それでも家にいてくれるだけでもありがたかった。
それもいよいよ施設のお世話にならないと、今度は義母のほうがしんどいよねってことになって、
家を離れることになったのが昨年の11月のこと。

それから半年後に、ようやく会いに行けた(子供の塾の送迎と、ばあちゃんのお世話を義母や嫁と
手分けしていたので、なかなか行けなかった)のが10日前だったかな。
あのときはもう、すべてを諦めたかのような目をして、背中を丸めて横になっていた。

顔の骨格がね、嫁にそっくりなもんだから、これと同じシーンを半世紀後にまた見ることになるのか、
または自分の方が先にしれっと逝っちゃうのか複雑なきもちになって施設を後にしました。

その後、食事を摂ることも拒むようになったと聞いて、別れが近いことを悟りました。


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こんな話をブログに書けるのは、直接の血縁ではないかもしれないからかもしれないけど、
すべての苦しみから解放された人の顔が、こんなにも安らかでまるでふつうに眠っているように
しか見えないのはちょっと驚きましたね。

不謹慎ながら、あだち充原作の某野球漫画の名台詞が脳裏に浮かんだのは内緒(ぉ

それくらい、薄く死化粧をしてもらった寝顔は、数年来の視線の定まらない表情のままではなく、
まだ元気だったころの面影を思い出せてくれて、この日ようやくばあちゃんが”帰ってきた”んだ
と感じました。

おれ自身は、ばあちゃんの役に立った記憶がないので、嫁を子供の頃から可愛がってくれたこと、
孫たちを優しさで包んでくれたことへの感謝の言葉を告げて、仏間を後にしました。


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涙を流すのは、本葬のときまでに取っておくことにして、次男と近所の公園へ。
幼いこの野郎は、ちゃんと”死”を理解しているのだろうか・・・。


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さて、友引をはさんで19日は本葬。この昔ながらの暦のおかげで、通常よりも長い時間、
自宅で寝てもらうことができました。
お通夜の会場なんかだと、ゆっくり話しかけられなかっただろうしね。


ありがとう、ばあちゃん。



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