GRACE OF LIGHT / KYON.J
日本のアニメと声優とゲームが好きで日本に来た中国広東省出身の留学生が、2015年に訪れた北海道の風景に感動して本格的に写真を学び始めてから3年、わずか3年でナショナルジオグラフィックから渾身の作品を収めた写真集を発売だなんて、とんでもないシンデレラ・ストーリーじゃないか!(驚
しかも、日本国内だけでなく故郷の中国はもちろんアメリカやヨーロッパと、貯金と有給休暇の許すかぎり飛び回るその行動力と訪れた場所で撮った風景写真のひとつひとつに込められた力の強さを感じて、その写真集を買いました。

KYON.J さんの写真集 『GRACE OF LIGHT』 でございます。そういえばずいぶん前にクラウドファインディングで撮影援助を募集してたっけな、あれがついに実現したのか・・・。
写真を撮ることが今や日常となっていて、その目的のひとつに彼女と同じように ”この景色を誰かにも見せたい” という思いがあったりします。ただし自分の場合は富山ローカル(苦笑。
多くの人が一生のうちに一度行けるか、または行けないまま墓に入るという地球上の絶景を見ることができるのはカメラという道具の恩恵でもあるのは間違いないけれど、それを自ら撮りに行くという並々ならぬ努力や行動力には称賛の言葉しか浮かばない。

そして、作品のひとつひとつに込められた言葉がよりいっそう世界を引き立たせるのだ。
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空蝉
空蝉の羽におく露の木がくれてしのびしのびにぬるる袖かな - 源氏物語

少し前になりますが、ジェットダイスケ氏の写真展で展示されていた作品をまとめたフォトブックを買いました。写真展そのものには残念ながら行けなかったので、その腹いせに(ぉ
フォトブックのサイズは文庫本くらい。なので、現場の感動を・・・というわけにはいかないんですが、自分のペースでじっくり見るにはちょうど良いかも。まあ、4Kモニタで展示されていたほどの高精細さは無理ですけどね。
ちなみに、湿気で紙が反り返ってしまって写真を撮るのが難しくなっちゃって、記事にするの半ばあきらめていたのは本当。
さて、富山でもようやく蝉の鳴き声が聞こえ始めてきました。用事で実家に行くその途中に立ち寄った公園で見つけた蝉の抜け殻、これはニイニイゼミですね。次男に見せたら、”セミノヌケガラ”という名の生き物だと勘違いしたらしく、「大人しい生き物だねぇ」
と言っていましたが、季節ごとに姿を現しては消えていくさまざまな生き物を、自然の理とともに彼に見せてあげれたらいいなと思っています。
瀬戸内家族/小池英文
2017年1月14日から23日まで、東京は新宿のコニカミノルタプラザにおいて写真展を開催中の、
写真家・小池英文氏の作品集を買いました。タイトルは写真展と同じく 「瀬戸内家族」。
なお、コニカミノルタプラザはこの写真展を最後に運営を終了するとのこと。

表紙は白ベースでテカテカ光って撮りにくいので、中表紙の写真を撮ってみたよ!
インド滞在中に知り合ったという、奥様のご実家のある尾道市は因島で撮影された家族写真。
そのどれもが目線の温かい写真ばかり。
なんでもないような日常が、なんでもなく撮られているように見えるのに、どこか微笑ましく
感じられるのが不思議で気になる。
1月15日の第1刷の発行からあまり日が経たない中、Amazon には在庫がなく、プレミアム価格
を付けてるショップもあるようでしたが、近所の本屋で手にすることができて良かったです。

こちらが表紙の写真。
この空気感、一目ぼれですわ。
Memories / 山﨑友也
届きました。

鉄道写真家であり、『レイルマンフォトオフィス』 (元共同代表に中井精也氏)代表の山﨑友也
氏の作品集、その名も”Memories” でございます。
同タイトルの写真展を富士フォトギャラリーで開催されていたけど、行けなかったんで(
鉄道写真と一口で言っても、色んなアプローチがあるもので、自分の場合は主に車両の観察と
その記録で、今は鳥インフルエンザの流行のため自重している(自分が媒介となるのは嫌だからね)
野鳥撮影と同じように図鑑的に手元に残しておきたいから撮る、という感じ。
それをいつかはアプローチを変えて、地元の風景とともに作品撮りができたらなと思っていますが、
遠出もなかなかできないので、今はできるだけのことをできる範囲内でやってます。
さて、”Memories”。
非常に温かな視点で、駅周辺の人々の様子を生き生きと写していて、ユーモアも感じられるその
雰囲気は、ちょっと上品な梅佳代みたいな感じで、とても好きになりました。
車両の存在を感じることはできるけれど、その姿を具体的には写さない手法はさすが。
特に好きなのが、電車内で無邪気にはしゃぐ子供の履く靴へピントを合わせている1枚。
その靴のデザインが新幹線なんですよね。
子供の屈託のない笑顔もさることながら、目線をそこに持っていくセンスが本当に素敵で温かい。
この感覚を自分も持ちたいと思いました。
山﨑友也写真集「Memories」 - フォトコン・オンラインショップ
THROUGH A QUIET WINDOW / STEVE JANSEN
表紙に貼られた野暮ったいシールは速攻で剥がしました(ぉ

”静謐な眼差し”と題された高橋幸宏による巻末の寄稿文の、なんと素晴らしいことか。
1980年代初頭に出会った、ふたつのバンド「Yellow Magic Orchestra」と「JAPAN」のメンバーの姿を写した、
JAPAN のメンバーであるスティーブ・ジャンセンの手によるプライベート・フォト集。
撮影された当時は、こんなふうに一冊の本となって公開されるなんて、想像もしていなかったであろう。
だからこそ、切り取られた時間のひとつひとつが、彼らのファンにとってはとても愛おしいものとなる。
その一枚一枚を撮った静かな眼差し、それがときにとても強い力を持って心に深く残像を残していく・・・。
作品の8割がたがモノクロフィルムで撮られていて、それがまたすごく味があってイイんですよ。
被写体が稀代のミュージシャンたちであるということを差し引いても、とても撮り方が巧くて、
モノクロ写真としての完成度も高いのではと素人ながら感じてしまいました。ちょっと参考にしてみようっと。
こんな才能が彼にあったなんて意外。
大好きだった、ベースのミック・カーン(2011年没・享年52)の姿がここでまた見ることができてうれしかった。