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人間/又吉直樹


令和2年最初の買い物はこれでした。

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お笑い芸人 「ピース」 の又吉直樹の新著、『人間』 でございます。次男にうっかり有名作家と同じ名前を付けてしまった上に、小学校の同級生にこの芸人と同じ苗字の子がいるからではなく、たんに昨年買ったカズオ・イシグロの 『わたしを離さないで』 の文体に疲れたからです。あ、宮部みゆきの 『ICO ~霧の城~ 』 はただのコレクターズ・アイテムです(サウンドトラックCDも 「ワンダと巨象」 といっしょに押し入れから発掘した)。


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べつにファンでもないのにサイン本です。

意外とふつうに売ってるもんなんですねー。柴崎友香の 『わたしがいなかった街で』 もサイン本でしたが、文庫本だと文字が小さくて読みづらいなんてこともないのでオークションで探してみて偶然見つけただけで、ああいうのはもっと大きな書店のイベントかなんかでしか買えないものかと思ってました。とにもかくにも、お笑い芸人としてのキャリアはコンビの相方が迷走していてそれどころではなさそうだし、そもそも彼らの芸など見たこともないし、この本に興味を持ったのはあくまでも作家としての又吉直樹がいてこそなのに、サインではしっかりとコンビ名が先に来ますか。なんかモヤっとするよな。

芥川賞を獲った 『火花』 は有名過ぎて手に取る気になれず、新刊が出たのときいて手に取りましたが、先に柴崎友香を読んでいたおかげか、関西弁でのやり取りがすっと頭に入ってくるので読みやすそうな気がしたのでそのままレジへ。


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ところで、装丁は 「鈴木成一デザイン室」でしたか。上述した宮部みゆきの 「ICO ~霧の城~」 も同じところでした。まあ、ただの偶然ですよね、想定外だけに。


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ICO イコ~霧の城~/宮部みゆき


ふと思い出して、こんなものを買ってみました。

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プレイステーション2専用(のちにプレイステーション専用としてリマスター版が発売された)ゲームソフト、『ICO(イコ)』のノベライズ版、しかも著者はあの宮部みゆきという豪華な組み合わせ。基本的にミステリーやサスペンスとかは読まない派なんですが、大好きなゲームソフト(なんならサウンドトラックCDまで持ってた。どっかいっちゃったけど)の小説版を、たとえ自分が苦手なジャンルでも世間の評価の高い作家が手掛けたとなれば、ここは凝り固まらずに受け入れようかと。ただし、思い出すのに15年もかかっちゃったのは本当(ぉ。今回入手できたのは、2004年刊行の初版でございました。

これまではわりと取り留めのない内容の短編だったりを好んで読んでいたわけですが、たまには馴染み深い内容のものを読んでもいいかなと思って。結局は積ん読がまた増えた気がしないでもないですが、気が向いたときにふと手に取れるよう確保したかったのが本音です。

さて、読み始めるのはいつになるかな。


わたしを離さないで/カズオ・イシグロ


べつに無理してやらなくてもいいことなのに、気が乗らないからというだけのことを誰に言い訳するでもなくくりかえしくりかえし考えていると 「何もしない」 をするのもなかなか疲れるんだなあと思う今日このごろ、いかがお過ごしですか?

NeverLetMeGo

おおまかなあらすじしか知らないのですが、著者のカズオ・イシグロ(Sir Kazuo Ishiguro - 騎士の称号持ってるなんてすげえな)が2017年にノーベル文学賞を獲った際に、”なんとなく名前は知っていたけれど実際にその著書は読んだことないからとりあえず読んでみようか、一過性のブームが終わったあとに” と思ってずっと心のカートの中で温めていた作品でございます。

「日の名残り」もまた有名な作品ではあるものの、アンソニー・ホプキンスの主演映画のビジュアルがどうしても先入観として頭にあるので、そちらは避けました。ちなみに映画そのものも未見です。そういえばこの 「わたしを離さないで」 も国内外で何度か映像化されていますが、やはり先入観を持ちたくない理由で能動的には近寄らないようにしていました。テレビ放送とかがあったなら一度くらいは観たかもね。

むしろ今観たいのは、似たようなプロットのユアン・マクレガー主演の 「アイランド」 だったりもします。やっぱ自分が臓器提供者として生かされていて、いつか役目を終えるときが来るというのはサスペンスフルでゾクゾクするお話なのでしょうか。しかしながら、「アイランド」のほうはマイケル・ベイ監督作品なだけに映画の方向性は言わずもがな。

というわけで、書店で手に取って冒頭の一頁をちらっと読んでみて、自分なりのビジュアルが頭に浮かんだのでこれはイケるかもと思ってレジに行きました。どんな著者のどんな作品であれ、人が作り上げたビジュアルよりも自分だけのイメージが持てるように向き合いたいんですよ、それは誰のものでもなく、きっとおれが死んだら一緒に消えてしまうもの。



蒲田 初音鮨物語/本田雅一


『これからスマートフォンが起こすこと。』(2011年06月)や、『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(2011年8月)といった著書もあるテクノロジー系ジャーナリストの本田雅一氏が、とある寿司屋が舞台のノンフィクション小説を書いたと聞いて手にした本書、”感想文”を書くことを前提として読むのをどうしても避けたかったので、もともと読むのが遅いほうなのにさらに時間をかけて読むことになりました。気が付けば本の発売から半年近く経ち、本書の内容をきっかけに独自取材・制作された映像が、人気テレビ番組 『逆転人生』 (司会は山里亮太!)で放送されることが発表される直前になってようやく読了。寿司だけにネタばれはごめんだぜ・・・。
断っておきますが、けっして難しい内容だったからではありません。テクノロジー系ジャーナリストが何故ノンフィクション小説を書きたくなったのか、その意図を汲み取らないと本書の在り方を理解はできないだろうと思い、時間をかけて咀嚼したかったからです。

つまるところ、顧客のニーズに応じてサービスを変えていくことで自らの価値を創造し高めていくその境地に達した初音鮨の四代目、中治勝氏の生き方に本田氏はきっと共感をおぼえたのでしょう。第七章の冒頭に書かれるシンガポール華僑の家族とのエピソードから始まる中治勝氏のとある”変化”についての記述は本書の白眉だろうと思います。

表紙をめくり、最初に目に飛び込んで来るのはツケ場に立つ中治夫妻の屈託のない笑顔。気難しい性格というイメージの強い寿司屋の大将の中にあってなぜ中治勝氏の表情が柔和なのか、それは”最高の鮨”と”最高の舞台”を大病を乗り越えた”最高の家族”とともに手にすることができたからだと、エピローグを読んだときにそう思わずにはいられませんでした。

ただ、本書はそれだけでは終わりません。こうしたちょっとニッチな成功体験をもっとメジャーなものに置き換えて巻末に添えています。おれがこの本を買ったのはリアル書店ではなく、Amazon でした(発売日から遅れて届く”konozama”を食らったけど)。その Amazon はといえばもともとは書籍通販サイトが出自でした。それが今や総合的なネット通販サイトになり得たのもやはり顧客のニーズに応じて利便性を追求したから描くことのできた形なのであり、これからもそうあり続けるはず。巻末付録まで読ませて腹落ちさせようなんてなかなかニクイなあと思いながら、いつか初音鮨で・・・と、嫁が食卓に並べた小皿に乗る鰤の切り身をいただくのでありました。


蒲田という土地には少しだけ縁がありまして、2013年2月1日より開催された 『CP+2013』 に行ったときに前日入りして泊まった宿が 『スーパーホテル 東京・JR蒲田西口』 でした。せっかく都会に行くのにずっとハコの中じゃつまんねえべと思い、前日の1月31日は友人と東京観光をすることにしたので、東京からも横浜からもアクセスしやすい場所を探したら蒲田になりました。スーパーホテル系列は過去にも利用したことがあるため勝手も分かっているという理由で選んだという。

蒲田駅を下りたとき、駅メロが噂通りに 「蒲田行進曲」 が流れたときは一人で笑っちゃった。あの映画、好きなんだよね。風間杜夫も平田満も松坂慶子もいっぺんに好きな役者になっちゃった。映画公開時は小学生だったけれど、”コレがコレで”はソッコーで覚えました。今でも長い階段を見ると”銀ちゃん、かっこいい・・・”と言いたくなります。

さて、その 『スーパーホテル 東京・JR蒲田西口』 の場所をふと思い立って調べてみると、なんと初音鮨さんからまさかの目と鼻の先(笑。



2013年といえば、初音鮨が改装をして豪奢な洋館仕立てにしたという時期と重なります。もしかしたら、窓の外から建物も一部でも見えてたのかなあと思いました。



Harukist


昨年の12月に 『巨大なラジオ・泳ぐ人/ジョン・チーバー』 (ジョン・チーヴァーの短編集を村上春樹が翻訳したもの)を読んだとき(まだ読み終えていないけれど)にふと思い出した、”10代の後半にはよく理解もしないのに何がしかの作品を読んでいた” 訳書を思い出すことができました。

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『偉大なるデスリフ/C.D.B.ブライアン』(1987年刊行―オリジナルは1970年の作品)でございます。単行本は絶版されてひさしく、当然ながら古書で入手しました。これこれ、この想定だったんだよな―と分かるのはきっとおれだけかもしれない。


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この作品― 『華麗なるギャツビィ』 のオマージュ作品―への世間の評価はまあ、そんな高くもないのかな。でも、そんなことはどうでもいいし、読んでみて面白ければいいのだ。とにかく、おれが古い記憶をたどってまで固執したということは、きっと読んでたときの印象が悪くなかったんだろう。


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あとがきを先に読む派なのですが、この文章に思わず噴き出した。どこかで読んだ ”「全ての小説が文学史に残る超一流の小説である必要はないのだ」” という訳者のコメントを思い出した。ところで、ギャツビーのほうは読む気はさらさらない。


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もう一冊、こちらは短編集です。海外で発売された短編集と同じ掲載順で編集されたという、ちょっとカッコつけた仕掛けを孕んだ本。ただし、内容は日本語です(ぉ。

この 『象の消滅』 が村上春樹の海外での短編作品集として編纂されることになったきっかけというのが、本書にも収録されている短編 『TVピープル』 が雑誌 『ニューヨーカー』 に掲載されたことからだそうで、『TVピープル』といえばおれが村上春樹の短編作品にハマった最初の作品なので、このエピソードを知ったとこはちょっとうれしかったな。


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さて、本書のオープニングを飾るのは、『ねじまき鳥と火曜日の女たち』。冒頭からスパゲティーを茹でたり茹でなかったりしてるやつです。初めて読んだので、「うわ、ネタじゃなくて本当にスパゲティー茹でるんだ」 と思ってしまいました。そういう意味でも村上春樹作品の入門編として最適なのかもしれません。

最後に、おれがこの作家と同じ苗字になったのはただの偶然だし、子供に同じ名前を付けたのも偶然だったわけですが(そう言うとたいてい本当?って訊かれる。やれやれ・・・)、自分がいくら有名になったからといってテレビに出たりもせず、ずっと作家の立ち位置のまんま、なんなら熱狂的なファンにすら困惑しているし、ノー●ル文学賞なんか望んでもなさそうなところには敬服しますね。いつかまたどこかでジャズ喫茶をやることがあったなら、ぜひ行って店の隅っこの席で無になりたい。



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