”Giant Steps”


毎日のように通っている家電量販店の店頭の4KテレビでUHD BD版の 『GUNDAM THUNDERBOLT
~ DECEMBER SKY』 を観ているうちに、ちょっと原作マンガが気になったので既発売の8巻をイッキ
に読んでみました。最新刊は9巻ですが、まだリリースされていないと思い込んでしまったおかげで
未読です。

機動戦士ガンダム サンダーボルト

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初め、同じお店の玩具売場で ”サンダーボルト” のプラモデルを見かけたとき、「またおかしなのが
出てきたなあ」と感じ、ネタが尽きたら湧いて来るようないつもの外伝的なやつかと思っていました。
その後のプラモデル展開がまたいつもの”Ver.Ka”商法っぽく感じたので、ますます興味の方向から
離れていったのは事実。

その後、しばらくして『~ DECEMBER SKY』 を観たわけですが、太田垣康男による新解釈のMS群の
活躍はもちろん、主人公の一人であるダリルの所属が傷痍軍人たちによる狙撃部隊であること、
連邦側の主人公のイオとその幼馴染たちとの関連性がストーリーが進むにつれて、悲劇性を帯びて
くるところなど、自分の琴線に触れる部分がいくつかあることに気付きました。


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特にグッときたのがジオン側の女性技官、カーラのエピソード。第3巻の中盤、目の前で仲間を灼き
殺されたショックから精神的に退行したが、父親と同じように義肢の腕を持つダリルに寄り添うことで
(その処置をしたのは彼女自身だったし、軍の命令で唯一無事だった右腕も切り落としたのも彼女
だったが)少しずつ元に戻りつつある=再び地獄を見る運命が待っている・・・ところなんか最高やね!
こんなエグいガンダム、ずっと待ってたんだ!!(ぉ

また、まだ映像化はされていませんが、強化人間といわれるレヴァン・フウ率いる南洋同盟が登場
する地上編がすこぶる外連味たっぷりなアレンジの施されたMS群のオンパレードで、ガンダムの話
のようでガンダムじゃない異質っぽさが過去作品に媚びてなくてイイね!

まあ、突っ込みたいところは多々あることはありますが、そこを含めての ”サンダーボルト” なので。


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最後に、主人公のふたりは規律違反である音楽プレーヤーまたはラジオをコクピットに持ち込んで
いることが共通していますが、イオは実際にジャズドラムのプレーヤーであることが窺えます。
この ”Giant Steps” は大好きなコルトレーンの楽曲なだけに、このシーンでは思わずニヤリとさせ
られました。




この曲を聴きながら、彼らがどんなセッションをするのか思い浮かべてみたいと思います。


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アイアムアヒーロー/花沢健吾


漫画 『ミュージアム』 全3巻をイッキ読みしたあと、Amazon におススメされるまま、筒井哲也の
『マンホール』 上・下巻(蚊を使ったバイオテロによる復讐劇と刑事物が絶妙に混ざり合った一品)
をこれまたイッキ読みしてしまい、歯止めが利かなくなってついに 『アイアムアヒーロー』 に手を
出してしまった・・・ッ!!

今年の春に大泉洋主演で映画化されたこの作品、題名くらいは知っていたけれど、ゾンビものだと
知ったのは、上記の漫画を読んだあとに Amazon さんにまたおススメされたときだったという(ぉ

んで、すでに21巻まで出ているので、うっかりハマってしまったときの出費が怖いと分かっていたけど、
やっぱりハマっちゃったw てへぺろ(・ω<)

何が良いって、ゾンビものにとって基本的な要素―

ゾンビ化の原因は不明、ショッピングモールに避難、先に形成されたコミュニティに後から参加するも
生存者同士なのに完全に心は開けない、その後コミュニティも崩壊・・・をすべて抑えてあるのはもちろん、
徹底的に描かれた日常の風景(景色だったり、人が暮らす様子だったり)、主人公を含む序盤の
登場人物の生臭さいキャラクター設定にとてもリアリティを感じたからです。

いちばん好きなシーンは、ゾンビ化してしまった恋人(成功した元カレとの間柄を今でも疑いながらも、
懸命に愛そうとする主人公の葛藤もまた良い)をついに行動不能にしたあと、
これまで何度も夜を共にしたであろう布団の上にちゃんと寝かせ、乱れた髪を梳いてから去る
シーンですかね。

しかも、襲ってくるときに抜け落ちた恋人の歯を、遺骨を扱うかのように大切にティッシュにくるんで
ポケットに入れるなんて発想、今まで見たことなかった。

ハリウッド映画なんかだと、いちおうは躊躇うけど、トドメさすときは銃火器であっさりやっちゃうもんね。
それとは全く別次元の、ささやかな平和のあった日常が崩壊していき愛した人も変わり果てた世界の
描き方の独特さがクセになりますね。

乗ってたタクシーの運転手がゾンビ化し、車が炎上して自らも炎に包まれながらも料金を請求して
くるのを生真面目に精算するところとか、凄惨なシーンのはずなのに笑っちゃんだうよね。


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また、友人・知人の生活圏が当初の舞台だということも個人的にツボでした。


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ただ納得いかなかったのは、車両はどう見ても西武鉄道9000系なのに、編成番号は6000系の
第5編成というところかな。


さておき、ジャンルものでありながらも全く新しい視点から日常の崩壊を描いたこの 『アイアムア
ヒーロー』、なんだかんだと6巻まで我慢できずに読んじゃった。
ストーリー上では命からがら練馬から御殿場まで移動し、アウトレットに逃げ込んで生存者たち
と合流します。このコミュニティが最初から胡散臭いのも面白いし、崩壊するのも見え見えなんで
すが、続きが気になってしょうがないので今から7巻買います(ぉ


ミュージアム全3巻/巴亮介


小栗旬主演で映画化された、巴亮介原作の『ミュージアム』。
劇場版のCMで初めてこの作品の存在を知って、ちょっと興味があったので原作漫画を購入。
全3巻完結というのも、個人的にはサクサク読めるんでいいかなと。
(原作者にとっては不本意だったようですが)

『アイアムアヒーロー』なんか、今から原作読もうったって、20巻以上あるしなー。

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さておき、『ミュージアム』。

タイトルの意味は、快楽殺人者である霧島早苗が作り上げた作品(死体)の数々を表していて、
物語の進行とともに彼は5つの殺人を行いました。
そのどれもがとても凄惨なもので、小さな子供のいる家庭でこの原作本が紙ベースで部屋の棚
に置かれているのはさすがに憚れる内容。こういうときは電子書籍って超便利よね。

とはいえ、高校時代に読んだ岩明均の 『寄生獣』 や、ハリウッド映画の 『セブン』、ほかもろもろ
のおかげでバッチリ免疫のあるおれとしては、ゴア表現に関しては既視感のあるものばかりで、
まるで ”サスペンスホラーにおける被害者の殺し方” あるあるに感じました。

そういうバイアスのかかった目で読んでもこの漫画を面白いと評価できるのは、
純粋な絵のセンスの良さと、ストーリーの巧みな進め方にグッときたからです。

特に、犯人である霧島早苗がなぜああいうコスチュームなのか、またそれを利用して主人公の
沢村の誤射を誘うやり方に膝を打ちましたし、沢村がそれに引っかからなかった理由の伏線も
うまいなと思いました。

内容はともかく、3巻イッキに読めちゃったぜ!

劇場版を観に行く精神力と体力がないので、テレビ視聴になるとは思いますが、映画オリジナルの
改変が、犯人の背景にある殺人動機をうまく補完していそうで、楽しみではあります。


TVピープル/村上春樹


自分がまだ若かった頃に読んだことがあって、ふと思い出して読みたくなったけれど廃版に
なっていたため、いつか上京したときに古本屋で探そうかと思っていました。
それでなくても東京の古本屋って面白そうだしね。

そんな村上春樹の短編集、『TVピープル』 が電子書籍化されました。
このほかにも、何作品かまとめてどっちゃりとリリースされましたが、とりあえずは文藝春秋
からリリースされている 『パン屋再襲撃』 と 『レキシントンの幽霊』 も一緒に購入。

ありがとう、センテンススプリング!(


TV_People

さて、単行本でのリリースは1990年とのことですが、おれが読んだのは文庫本だったので、
もうちょっと後になって読んだのかもしれません。
この作品と前後して、『ノルウェイの森』 も読んだっけなあ、あと村上つながりで 『コインロッカー・
ベイビーズ』 も・・・。あっちの村上は今何してるんだっけ?

いずれにせよ、いちばん感性のアンテナがビンビンに立ってたころに吸収したものであり、
こういうのを読んでたから、今でもいろいろとこじらせてるのかもと思ったり。

ひいき目なのか、今読んでもふつうに文章が脳内でビジュアライズされて、まるで体が必要と
してたのではと思うくらいに全エピソードを読み切るまで時間がかからなかった。
その勢いで 『レキシントンの幽霊』 も初めて読んだけど、彼独特の寓話のような世界観が存分に
発揮されていて面白かったね!

オチというオチがないといえばない、あるといえばあるのが真骨頂の作家だと思うので、
読後のなんとも言えない浮遊感が心地良い短編集でございました。
それに比べて 『女のいない男たち』 は、同じような路線のようでも説明過多でつまんなかったん
だよね。人は老年に差し掛かるとしつこくなるのかな、とちょっとだけ思いました。

いつまでもノーベル文学賞を獲れないというネタで毎年注目されているということを
いったんは忘れて手に取ってみてはいかがでしょうか。



その娘、武蔵/田中相


ときどき無性に漫画が読みたくなるときがあって、新規開拓できるほどの情報源は
持たないし、ならば蔵書の中からその作家の関連作品でもと Kindoko じゃなくて
Kindle 本で見つけたのが、これ。

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「千年万年りんごの子」の田中相の手による、まさかのスポーツもの(驚!

意外すぎるほど意外すぎるジャンル選びにのけぞった勢いでつい買ってみましたが、
中身の方は、さすがというか、らしいというか。

顧問による体罰ありきの指導が明るみに出て崩壊したバレー部のある高校へ進学する
ことになった主人公、武蔵。
中学時代にスター選手だった彼女は、高校ではバレーに関わらないと決めていたが、
先輩との勝負に負けて入部することになる。

バレー部ではほとんどの部員が他校に移っており、武蔵の通う高校では彼女の入部で
ようやく部の体裁を保てたという有様。
そこからの立て直しが描かれていくわけですが、部の崩壊を招いた事件の当事者が
けっこうな頻度で登場するのが斬新だなと思いましたし、

”強くなるための方法論” としての「しごき」は、悪なのか善なのか迷い始める部長の心情
とかが繊細に描かれており、こりゃフツーのスポーツ漫画とちゃうで、と感じたわけです。

ほら、ゲンジツの仕事場でも上司に叱咤されたり、部下にキツメのお灸すえることって
あるじゃない。それらの程度にもよるとは思うけど、結果を出すためのキッカケになることも
あれば、ポッキリ心を折っちゃって辞めちゃう子が出てくることもある。

中間管理職のようなポジションにいる身としては、考えさせられる作品です。


ところで、180cm オーバーの女子が主人公って設定、それなりに需要があるんですかね?

宝島社の”このマンガがすごい!”で知った、「富士山さんは思春期」って作品も、主人公が
181cm もある女子中学生でバレー部員だったしなあ。

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